「あたらしい和のデザイン」
Kaan Hancer2020-10-27T20:27:24+09:00この記事を読むのにかかる時間:約2分
株式会社ビー・エヌ・エヌ新社(東京・渋谷)はデザイン、テクノロジー、工芸関連の書籍を多く出版しています。「あたらしい和のデザイン」は、郷愁あふれる日本やその伝統が生み出したグラフィックデザインを現代的な視点でまとめた176ページの書籍。その中に、クロードの金蒔絵ステーショナリーが掲載されています。
英訳にある「新しい伝統的な和のデザイン」とはなんでしょう?とても矛盾のある言葉ですよね。
たしかに。でも、これはクロードがブックマークとバタフライギフトタグを、日本の金蒔絵という技法を用いて制作した、つまり新しく伝統的なデザインアプローチという意味ではぴったりなのです。このシリーズでは、例えば「菊」という伝統的な日本のモチーフ、古くから長寿や若返りの象徴と、現代的なグラフィック、どちらかと言えばポップアートやグラフィティに近いあざやかなパレットとの掛け合わせとして製作されているからです。
「伝統的なモチーフを取り入れたいという衝動は、純粋にその美しさのためであり、過去や伝統へのオマージュでもあります。グラフィック自体が目を楽しませ、いくつかの感情を一気に呼び起こしてくれるようなものでなければなりません…..まず、感情を揺さぶるような色のきらめきを感じ、次に、滑らかでモダンな表面に気付き、そして最後にモチーフを分析する……..デザインは、私たちにとって喜びであり、挑戦です。」と語るのはクロードのファウンダーでありデザイナー。
伝統という深みの上に現代的な要素が加われば、それはまぎれもない魅力となります。明らかに単なるトレンドではなく、芸術の主役となる – つまり解釈し直すことは、創造的なプロセスに欠かせない要素だからです。
クロードのデザインの興味深い要素に、デザイナーの文化的な意味でアウトサイダーな立場があります。この書籍の中のたくさんの日本のデザイナーの中で、クロードは唯一の「外国人」でした。そのことについて彼女の返事は。「いいじゃないですか。日本にいる外国人デザイナーがメディアで紹介されることは決して多くはないので、素晴らしい機会だと思いました。でも変わりつつあるのも事実です。日本には、長く日本で暮らしているアーティストやデザイナーがたくさんいて、クリエィティブな貢献を続けています。逆に言えば、日本のクリエィターたちは、世界の舞台で活躍していて、思っているほど距離があるわけではないということです。」